錦織圭、全米OP、マリー破り4強入り!激闘とアツい言葉
マリー破り、4強入り!
全米オープンの男子シングルス準々決勝、錦織圭はアンディー・マリーを破り、2年ぶりの4強入りを決めた。
錦織圭はATP世界ランキング(シングルス/男子)7位。
対するアンディー・マリーは2位。
ロンドン五輪、リオ五輪とシングルス初のオリンピック連覇を達成し、4大大会では3度の優勝経験がある。しかも、今年はウィンブルドンで優勝し、リオ五輪でも金メダルと、完全に波に乗っていた。
2週間ほど前、リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した錦織圭は、表彰台の頂点に立ったマリーに対して、こう語った。
「勝つには相当遠いな」
スポーツキャスターの松岡修造も「圭は(マリーを)心の中で遠くに見えていたはず……」と語るくらいの存在だった。
そのアンディー・マリーに対しての戦いだった。
戦い……
戦いは観ている方が苦しくなる。そう思ってしまうほどの戦いだった。
第1セットはマリーが先取
序盤はマリーが強力なサーブを武器に圧倒し、錦織はなすすべもないように、第1セットは1−6。マリーが先取した。この流れのままに試合が進みそうだった。
しかし、第2セット以降…
しかし、第2セット。途中、雨が降り出し試合が中断。屋根が閉められることになった。その再開後、マリーのサーブが狂い始めた。結果、錦織がセットを取り返した。
6−4。
そこからは完全なシーソーゲームだった。
第3セットは4−6でマリー。
第4セットは6−1で錦織。
あまりのシーソーゲームのせいか、松岡修造は「最後まで試合を見られない。結果だけ教えてほしい」と語ったくらいだった。
……そして、勝負は第5セットで決まることになる。
このセットもギリギリの勝負で、結果は……
7ー5で錦織。
この瞬間、「勝つには相当遠いな」と語っていたマリーに対して、錦織は勝利し、準優勝した14年以来、2年ぶりの4強入りを決めた。
試合後の言葉
錦織は試合後にこう語った。
「ワクワクしすぎて、冷静さを保つのが大変だった。アップダウンはありましたが、最後に勝てて良かったです。最後まで諦めずにやれた。出だしが悪かったが、落ち着いて2、3セット目はいけた。長めのラリーを我慢できた」
「長い試合だった。最後のゲームまで危なかった。第4と第5セットは感覚がよく、自分から打って行けた。長いラリーも耐えて頑張ってプレーするよう心がけた。アップダウンはあったが、最後に勝ててよかった」
一方の敗れたマリーは……。
「自分に流れがある時にサービスゲームを落としてしまった。(第2セット途中に)屋根が閉じてからサーブが狂った。落胆はしていないし、できるだけのことはやった」
試合直後、松岡修造は敗者マリーに対し、こう語っていた。
「最後までこんなテニスをしてくれたマレー(マリー)に感謝したい」
錦織圭は「勝つには相当遠いな」と感じていた相手に最後まで諦めずに打ち勝ったのだ。
錦織の勝利は全世界に衝撃を与えている
この勝利は世界中で大きな話題になっていて、『USAトゥデー』では、「マレー(マリー)にとってはショッキングで落胆すべき敗北。フラッシング・メドウズ(開催場所)で(世界ランク1位のノバク・)ジョコビッチを破る本命とされていた」と伝え……。
また、全米オープンテニス公式サイトでは次の見出しで特集した。
「オー、ケイ! ニシコリは5セットの名勝負でマレー相手に大番狂わせ」
「第6シードのケイ・ニシコリは水曜日の準々決勝で第2シードのアンディー・マレーを大番狂わせで下し、2016年最大の勝利を挙げた」