クリス・フルーム ジロ・デ・イタリアでの衝撃的独走と名言
ジロ・デ・イタリア第19ステージ
フルームの独走
ジロ・デ・イタリアで衝撃的な出来事が起きた。クリス・フルームが80kmもの独走を成功させた。第19ステージで、ついにマリア・ローザを手に入れたのだ。
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ジロ・デ・イタリア
ジロ・デ・イタリアというのは毎月5月にイタリア全土を舞台にして、行われる自転車プロロードレース。
実に1909年から開催されている。
約3週間かけて行われるステージレース。
総合成績1位の選手にはピンク色のジャージ「マリア・ローザ」が与えられる。
ツール・ド・フランスに比べ勾配の厳しい坂を登る山岳ステージが多い。
(参考:wikipedia)
クリス・フルーム
自転車について、詳しくない人のために説明すると、とにかく凄い選手。
ツール・ド・フランス
2013年 総合優勝
2015年 総合優勝
2016年 総合優勝
2017年 総合優勝
ブエルタ・ア・エスパーニャ
2017年 総合優勝
クリス・フルームの状況
自転車プロロードレースのうち、上記のツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ、そして今回のジロ・デ・イタリアはグランツールと呼ばれ、三大ツールともいわれている。
その中でも特に有名なのがツール・ド・フランス。そこで4回も優勝。しかも、2017年はツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャと連続して勝ってきて、年をまたいで2018年。一度も優勝したことがない、ジロ・デ・イタリアを狙いに来た。
2018年 ジロ・デ・イタリア
詳細は割愛するが。クリス・フルームは前半不調でまず総合優勝どころか、表彰台も厳しいと見られていた。
ライバルの中でもサイモン・イェーツ、トム・デュムランが優勝するだろうと言われ、クリス・フルームが総合1位になるというのは、かなり厳しかった。
僕自身、ここまで不調の中、「表彰台に入ったら(総合3位になったら)、かなり凄いな」と考えていた。それでも素晴らしかった。
ジロ・デ・イタリア 第19レース
この大会で最標高地点チーマコッピがある第19レース。
ここで衝撃的な出来事が起きた。
かなり厳しいタフな砂利混じりの土の道で、ひとり飛び出し、ライバル勢を置き去りにし、そのまま80kmに渡る独走をした。
アシストの風よけもなく、1人単独の80kmだ。
まるでタイムトライアルモードで走り、大きなガッツポーズとともに勝利を飾った。
そして、周囲の予想をも覆し、総合4位から一気に総合首位へと駆け上がった。人生ではじめてのマリア・ローザを身にまとったのだ。
クリス・フルームの言葉(名言)
クレージーなことをやり遂げる必要があった
「このジロでは苦戦を強いられていたので、何かクレイジーなことをやり遂げる必要があった。これまでのキャリアの中で、残り80km地点でアタックしてそのまま独走で逃げ切るなんて初めての経験。まずはサイモン・イェーツを置き去りにし、トム・デュムランを引き離す作戦だった。チームのお膳立ては完璧だったよ」
今、アタックするしかない
「総合4位から総合1位まで順位を上げるには、最後の登り(バルドネッキア)でアタックしても十分なタイム差を奪えない。だからフィネストレ峠は完璧なアタックポイントだった。アフリカに住んでいた頃の身舗装路を思い出したよ。調子自体はとても良かったので今アタックするしかないと思ったんだ」
計算の上での走りだった
「フィネストレ峠は試走済みだったし、独走に持ち込んでからは正しいペースを刻み続けた。後方の総合ライバルたちはアシストを失った状態だったので、彼らも同様に自らの力で踏まなければならない状況だった。計算の上での走りだった」
自分の限界に達しないようにペーシング
「明日も非常に厳しいステージが待っているけれど、コンディションは良く、脚の状態もステージを走るごとに上がってきている。今日はアタックした後、ずっと自分の限界に達しないようにペーシングをしていた。明日にうまく繋げることができれば良いと思う」
80kmを1人で逃げるのは危険な賭け
これまでのキャリアではじめて
「信じられないような1日だった。でも3分もの遅れをひっくり返してリーダージャージを獲りたいなら、クレイジーな攻撃をするしか方法はなかった。最後の峠まで待っていたら、きっとマリア・ローザを奪うことはできなかっただろう。もちろん80kmを1人で逃げるのは危険な賭けだった。これまでのキャリアでこれほどの距離を単独で逃げたことはないよ。でも計算に基づいたアタックだったし、最終的には正しい判断だった。昨夜この作戦を立てた。昨日のイェーツの疲弊した状態を見て、行けると踏んだんだ。それにフィネストレでアタックすれば、きっと誰もついてこないだろうと考えた。だってフィニッシュまで遠すぎるから!飛び出してからはすぐにタイムトライアルモードに切り替えた。出力を上手く配分し、限界に達してしまわぬよう心がけた。戦いはまだ終わってはいない。デュムランに対するリードはわずか40秒しかないし、ジロはほんの一瞬で状況が変わりえるレースだ。明日も難しい1日となるだろう」
第19ステージ結果
1位 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 5時間12分26秒
2位 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) +3分0秒
3位 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +3分7秒
4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +3分12秒
5位 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +3分23秒