リオ五輪金メダリストの『負けない自分』を創る5つの方法
リオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得したアスリート。彼らは金メダルを獲得するだけの「負けない自分」を創っています。
そんな彼ら彼女らの言葉には「負けない自分」を創るヒントに溢れていて、それは同時に僕らの人生や仕事にも役立つものです。
今回は金メダリストの言葉から、『負けない自分』をいかに創るかを紹介していきます。
方法1
主体的に動く
まず重要なことは「主体的に動く」ということです。
主体的というと、リーダーであれば、人を導く立場なのだから比較的可能だけど、単なるチームの一員だったら、そう簡単ではない、そう考える人もいるかもしれない。
ですが、体操の金メダリスト、内村航平はリーダーとしての立場。チームの一員としての立場でこう言葉を変えています。リーダーの時は……
「今回は、僕がチームを引っ張っていく気持ちが大きいです」
内村航平
ですが、チームの一員としての時は……。
「高校3年のときに日本の強化選手に選ばれて、そのときゆかが得意種目で、ちょうど日本が苦手とする種目だったんです。僕が代表に入って力になりたいと思いました」
内村航平
リーダーの時は「引っ張る」と語り、一方でチームの一員の時は「力になりたい」と語っている。ここが重要で、たとえチームの一員であっても、その立場で「主体的」に取り組むということです。リーダーであっても一員であっても「主体的に動く」わけです。
金メダリストからの質問:
「あなたは主体的に動いていますか?」
方法2
理想の自分を実現する
今、あなたは自分がどのようになりたいのか、明確ですか。
「自分を創る」ということを考えた時、どう創りたいか、が明確になっている必要があります。そのためには「理想の自分」を明確にすることです。
柔道男子90kg級のベイカー茉秋はずっとオリンピックチャンピオンになることだけを夢見て柔道に取り組んできました。自分をオリンピックチャンピオンにする、と明確だったわけです。
レスリングの吉田沙保里を破ったヘレン・マルーリスも同じです。吉田沙保里を破り、金メダルを獲得することをずっと夢見てきた。
「私は人生で常に、このこと(吉田沙保里に打ち勝ち、金メダルを獲得すること)を夢見てきた……私にとって、ずっと理想のことだった」
ヘレン・マルーリス
常に自分がどうしたいのか、どうなりたいのか、を明確にしておくことです。
そして、目標を決めたらわき目もふらず、進んでいくのです。
金メダリストからの質問:
「理想の自分とはどのような自分ですか?そのためにわき目もふらず、取り組んでいますか?」
方法3
勝負どころを逃さない
絶対に逃してはいけない「勝負どころ」。
言い換えると、「勝つ」ためのここ一番の大事な場面。そこで臆することのない自分でいることです。
国民栄誉賞が決まり、五輪4連覇を成し遂げたレスリングの伊調馨。彼女のリオ五輪での決勝はまさにそうだった。相手がタックルに入ってきた瞬間、「ここしかない」と勝負に出たわけです。
「相手がタックル入ってきてくれたので、ここしかないと思って取りにいった……」
伊調馨
レスリングで金メダルを獲得した登坂絵莉も不思議なくらい、同じことを語っている。
「もうここしかないと思って、これで取れなかったら後悔すると思って最後を取りました」
登坂絵莉
「ここしかない」そんな勝負どころが僕らにもあります。
まずはその局面に敏感になり、そこでは恐れず、勝負に出ることです。ここ一番の場面、内村航平が個人総合の決勝で見せた鉄棒のように、です。
これで負けたとしても悔いがない、その気持で勝負に出るわけです。
「この鉄棒で負けるなら悔いはないと思った」
内村航平
金メダリストからの質問:
「あなたは勝負どころに敏感ですか?その局面で勝負に出ていますか?」
方法4
自分を出し切る
厳しい場面での「自分を出し切る」ことの重要性を多くの金メダリストが語っている。そこで限界まで粘ることが重要なわけです。
そんな局面では相手もきつい。でもその状況で限界まで粘り、自分の能力を出しきれば、勝機を見出すことができるわけです。
男子400m個人メドレーで金メダルを獲得した萩野公介は
「最後の最後まで粘った」
萩野公介
と語っていたし、柔道女子70kg級の田知本遥は押さえ込みで勝利した決勝について、こう語っていた。
「もう絶対離さないと思ったし、もう自分で、秒数は見えなかったですけど、あと何秒と思って耐えました」
田知本遥
とにかく諦めないこと。
レスリング女子フリースタイル69kg級の土性沙羅も、伊調馨と登坂絵莉の最後まで諦めない姿を見て「絶対に最後まで諦めずにやろう」と決め、見事金メダルを獲得した。
きつい時は誰だって、諦めたくなる。そんな時でも諦めず、恐れずに自分を出し切ることだ。
内村航平は個人総合で金メダルを獲得後、疲労困憊の状態で言った。
「疲れ切りました。出し切りました。もう何も出ないところまで出し切って獲れたので、うれしいよりも幸せです」
内村航平
タカマツペアの松友美佐紀もこう語った。
「自分がやってきたことというのを最後あきらめずに出そうと思って、それが出せて逆転できたと思うので良かったです」
松友美佐紀
金メダリストだけではない。この「出しきる」という言葉は多くのメダリストの言葉にある。厳しい局面でも諦めずに自分を出し切ることです。
金メダリストからの質問:
「辛い時、きつい時、諦めていませんか?そこで自分を出しきっていますか?」
方法5
自分を高く評価しない
自分については卑下する必要はない。
でも必要以上高く評価してはいけない。
課題がいくつもあるのに、自分を完璧だと思っていてはうまくいかない。自分の「課題」を正しく見つめることです。特にこのことについて語っているのが萩野公介で。彼はこう語っています。
「僕の思う天才は練習をしなくても軽々とタイムを出せる人。僕は日々の練習で大変です。天才じゃないのにと思ってきた」
萩野公介
もちろん、萩野は自身の素質について「素質はあったと思いますけれど」と答えている。でも、天才ではないと評価しているわけです。
さらに重要なのが「課題」です。萩野はこうも語っています。
「課題が見つかって、それを解決していけば必然とタイムも上がるんです」
課題がなければ改善しようがありません。
自分を必要以上に優れていると評価し、課題が見つからなければ、自分を改善できない。
そのためにも自分を正しく見ることです。課題を見つけ、それを解決していけば、必然的に成果も上がるのですから。
金メダリストからの質問:
「自分を正しく評価していますか?あなたの課題はどこにありますか?」