錦織圭への松岡修造の愛ある厳しい言葉がスゴイ…
錦織は敗れた…
全豪オープン第7日。
男子シングルス4回戦。錦織はフェデラーに敗れた。
試合は錦織7―6、4―6、1―6、6―4、3―6フェデラー、という流れだった。
最大のチャンスだった
今大会は錦織にとって4大大会で優勝できる、かつてないほどのチャンスだった。
この4回戦、第1セットは7−6で錦織が取った。だが、その後、フェデラーの流れになり、最終的には敗北で終わった。
この試合は本当に残念だった。でも錦織自身、観ている僕ら以上に「残念だ」と思っているのだろう、と思っていた時、松岡修造の厳しい言葉を見つけた。
僕が知る限り、ここ最近、松岡修造は錦織に対して「残念」という言葉を述べることはあっても、ここまで厳しい言葉はないように思う。
でも、錦織のためにあえて述べている、愛のある厳しい言葉のようにも思う。
松岡修造の言葉
松岡修造の言葉はこう始まった。
「残念とかを超えてしまった。ショック…。ジョコビッチが負け、A・マリーが負け、これほどチャンスな4大大会はなかったと思う」
これほどのチャンスはない、と松岡修造もやはり考えていた。そして、ここから厳しい言葉が続く。
「圭が勝てると信じて応援してきた僕からあえて厳しく言いたい。
本当に強い人、4大大会に勝つ人は一度つかんだ流れを相手に渡したりはしない。圭は自分から流れを渡してしまう。どうしてなんだ?と昨年聞いた時も『そういう方向に流れちゃうんです』と言っていた」
「第1セットを取ったとはいえ、2ブレークを許してフェデラーが目覚めた。次第に圭の脳裏に『この人は大事な時に何かやってくる』『突然うまくなる』という尊敬の念が出てくるようになった。だから焦るし、ミスが出る。
フェデラーは普通なのに、圭が相手を強くしてしまっていた」
「冷静に見れば、サーブが入っていない時のフェデラーに対してはチャンスがあった。サーブが入っている時のフェデラーには悔しいけど勝てない。そういう試合だった」
「ただし、頂点に立つことを考えれば、圭はまだ十分にタフなメンタルを持っていないことが明らかになった。
練習も私生活も含め、自分を信じて貫き通せるテニスをどうつくるか。そのことの必要性をフェデラーは教えてくれたのだと思う」
僕らにも参考になる言葉
松岡修造の言葉は錦織はもちろん、僕らにも参考になる言葉だ。
「本当に強い人、勝つ人は一度つかんだ流れを相手に渡したりはしない」
あなたにもあるだろう。何かでうまくいったり、成果が出たりしたことは……。
そうした流れが生まれたら、それを止めないように(相手に渡したりしないように)、集中して流れに乗る。今、流れに乗っていたら、それを手放したりしないことだ。
「相手は普通なのに、自分が相手を強くしてしまっていた」
相手に萎縮したり、臆してしまう時もあるかもしれない。でも実は相手は凄くないのに、あなた自身が相手を強くしてしまったりすることもある、ということだ。
そして、錦織のように敗北したり、失敗してしまうことは僕らにもある。そんな時は「(その敗北や失敗が)教えてくれた」と考える。そして、こう考えることだ。
「(試合<本番>だけでなく)準備段階や私生活なども含め、自分を信じて貫き通せるモノをどうつくるか。そのことの必要性を教えてくれたのだと思う」