平野美宇の３つの強み。世界卓球2017インタビューに見る「強さの秘密」

世界卓球、平野美宇がメダル確定
平野美宇、強さの秘密
世界卓球（今大会）に対する目標
平野美宇の今後の目標
参考：平野美宇インタビュー『世界卓球2017』
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世界卓球、平野美宇がメダル確定

2017年6月2日（世界選手権個人戦第5日）。

世界卓球2017ドイツ（デュッセルドルフ）女子シングルス準々決勝で、平野美宇はフェン・ティアンウェイ（世界ランク４位。2012年ロンドン五輪銅メダリスト）にストレート勝ちし、メダルを確定させた。

（6月3日準決勝にて、世界ナンバーワンの丁寧に敗れ、銅メダルが確定）

この種目で日本勢は48年ぶりのメダル獲得となった。

リオ五輪金メダリストであり、世界1位の丁寧に準決勝で敗れたとはいえ、丁寧は平野のことを徹底して研究を重ねてきた。4人の「仮想・平野」を用意し、練習中にはアジア選手権で敗れた試合映像を繰り返し流すなどして、徹底して「打倒・平野」を貫いてきた。

そして、世界女王、丁寧に敗れ、金メダルは獲得できなかったが、それでも、平野は初出場の中、驚異的な快進撃で準決勝に駒を進め、日本勢では48年ぶりの銅メダルを獲得した。

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ただ、これは本当に凄まじいことだ。

リオ五輪では試合にさえ、出ることができなかったのに。今年4月のアジア大会準々決勝で丁寧を撃破。その世界に衝撃を与えた大金星から一気に世界1、2、5位の中国勢を破り、史上最年少で制した。

平野美宇はなぜ、こんなにも強いのか。

その強さの秘密が今大会（世界卓球）に向けたインタビューに隠されていた。

平野美宇、強さの秘密

強さの秘密１：攻めへの変化

平野美宇は強くなった（成長できた）理由について、こう語った。

「（成長できた理由は）卓球を守りの卓球から攻めの卓球に変えたことかなって思います」

「（この１年間）きっかけは、リオの選考が終わってコーチも変わって話し合ったときにこのままじゃダメだから変えようと思いました。このままではトップに勝てないし、きっと4年後の東京でもまた同じようなことになるんじゃないかなと思いました」

「（攻めの卓球に変えて良かったと）思います。今はすごく思う。あのときは変えないほうがいいかもとか思ったりもしたんですけど、今はすごく変えてよかったなって思っています」

強さの秘密２：失敗

「守りの卓球から攻めの卓球に変える」

それはこれまで積み上げてきた「戦い方」を変える大きな決断。そこで重要だったのは（成功ではなく）「失敗」や「敗北」で。

リオ五輪で試合に出ることができなかったことだった。

その経験がなければ、今の平野美宇は生まれなかったかもしれない。

そして、その失敗から這い上がってきたことが、今後の失敗をも強さに変えることにつながっていくはずだ（今回の世界卓球での準決勝での敗北も次に活かせるだろう）。

「悔しかったですし、でも勉強になりました。そういうのも気づかなかったと思うので、行ってなかったら」

失敗（試合に出れないこと）に必要以上に落ち込まない（重苦しくならない）面も重要だった。

「無心でやっていたんですけど、後々考えてみると悔しいなって思うんです。そこにいるときはそんな重い考えというか、結構軽い気持ちで最初は行ってたので。そのときはそんなに。ああ、リオ。五輪だ。みたいな感じでした」

この１年についてはこう語っている。

「すごく一番成長した1年だったんですけど大変なことも多かった1年かなって思います。リオ五輪に落ちたので、リオに行かせてもらったときとかも、なかなか裏の仕事とかもやったことがなかったから最初できなかったし、そういう立場もすごく味わったというか、初めて味わったのでそこは大変でした」

成功の理由３：プレッシャーへの強さ

成功していくと、多くの期待などのプレッシャーと戦うことになる。

それに負けてしまう選手も少なくないが、平野美宇はプレッシャーに強い。

「（五輪後にワールドカップと全日本選手権を最年少で優勝したことについて）全日本の前とかも一応最年少と言われていたけど、全日本の前とかはそこまで出てなかったんですけど、ニュースとか。だけど、今回は自分だけ取り上げられたりとか、世界卓球に向けてすごく質問されます。
全日本のときとか、ワールドカップのときはそこまでは言われてなかったんですけど、今回は大会前から言われているというか、あんまりなかったので、そこはやっぱり全日本チャンピオンになったら違うんだなと思いました」

プレッシャーではなく「嬉しい」とさえ語っている。