福原愛、石川佳純に打ち勝ったキム・ソンイ選手が人気…
福原愛
石川佳純に
勝った選手
リオデジャネイロ五輪。
10日、卓球女子シングルスの3位決定戦で、キム・ソンイ(北朝鮮)に福原愛は4−1で敗れた。キム・ソンイは1回戦で石川佳純にも勝っている。
そして、キム・ソンイは銅メダルを獲得した。
世界ランキング50位
ところが、キム・ソンイは世界ランキング50位の選手。福原愛や石川佳純など、日本勢からすると、完全に格下のはずだった。
でも、どう見ても、50位の選手の強さではなかった。
理由はランキングの換算方法にあった。
国際卓球連盟(ITTF)の世界ランキングは、ITTFのツアーなど国際試合の結果に応じて決まる。逆にいえば、国際試合への参加が少なければ、どうしたってランキングは低くなる。北朝鮮の選手はまさにそうした状況だった。
ひと言で言えば、本来の実力が反映されていない。
キム・ソンイでいうと、50位というランクだが、実際にはとんでもない選手だったというわけだ(伊藤美誠選手も2015年中国オープンで負けている)。
憎めない選手
キム・ソンイ選手は北朝鮮の選手。しかも福原愛、石川佳純という人気選手の敵でもあったのだが、それでも、キム・ソンイは素晴らしい強さであり、憎めない戦いだった。実際、こんな声が上がっていたくらいだ。
負けたかぁぁぁぁぁ・・・・。悔しいね。ただ、自分には勝ったんじゃないかな。何か、こう情けない試合ではなかった。キムソンイは無名だけど強い選手だった。みんなが取りたいメダル、簡単には取れない。さぁ団体戦だ。ここで気落ちしないで頑張る愛に会いたい。愛も強かった。
— フモフモ編集長 (@fumofumocolumn) 2016年8月11日
「無名だけど強い選手だった」。まさにそのとおりの選手だった。
3位決定戦が
終わった後
しかも福原愛選手との3位決定戦が終わり、イスに腰掛けた瞬間、キム・ソンイはタオルに顔をうずくめ、ひと目もはばからず、大きな声をあげて、泣き続けた。
オリンピックでは、
勝って、笑顔になる選手はいる。
勝って、涙を浮かべる選手もいる。
でも、勝って、あれだけ長い間、涙をうかべるどころではなく、大泣きする姿は今でも記憶に残っている。
試合中は淡々としていた様子だったが、実際にはかなり強い想い、追い詰められた気持ちがあったのだろう。
彼女のその姿に打たれたからだろうか、多くの人がTwitterでキム・ソンイ選手の涙に打たれたとツイートしていた。
愛ちゃんよく頑張った!
キムソンイ選手が勝って泣いてる姿にもグッときた。
どちらにも背負ってきたものがいっぱいいっぱいあって、生まれ育った環境も全く違って、でもスポーツの前では公平で。
スポーツって素晴らしい。— 笹川 (@kurosasagawa) 2016年8月11日
日本人ふたりを負かした選手ではあるけれど、北朝鮮のキムソンイ選手(卓球)がすごくよかった。愛ちゃんに勝った直後、コーチにひっしと抱きつき、、その後もずっと泣いてた。北朝鮮でスポーツ選手として生きるってどんな人生なんだろうと思う。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2016年8月11日
彼女は試合後、「とても幸せ」だと語っていた。
敵ながら、素晴らしかった。その努力と想いに、本当におめでとうと言いたい。