イチローが語る大谷翔平の才能「投げること打つことより大事な能力」

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イチローは大谷翔平についてどう語ったのか

2018年5月4日セコフィールド。

イチローと大谷翔平の夢の対決はなくなってしまったけど、二人は公の場ではじめて顔を合わせた。

YouTubeなどにも多数アップされているけど、例の鬼ごっこだ。

これについては、もう幾度もニュースで流れていたし、説明をする必要もないと思うけど、イチローの姿を見つけた大谷が挨拶しようと近づいていったら、イチローが逃げ出し、鬼ごっこになった場面のこと。

動画をご紹介すると、次のような感じだ。

これについて、動画を見ている人たちからは……

「これ見ただけで泣きそう」

「なにこれ、めっちゃほっこりするじゃん」

「レジェンド同士の戯れ」

「これ野球史に残る出来事じゃね?」

「いい握手やで」

「日本の誇り×日本の誇り」

「日本一レベルの高い鬼ごっこ(人が)」

「これただふざけてるように見えて2人きりで話せるようにっていう気遣いだと思う」

などとファンの喜ぶ声があがっている。
Embed from Getty Images

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イチローが語る大谷翔平

5月12日に配信された『NumberWeb』にはその時のことが書かれていた。気になったのはイチローが語る大谷翔平について、だ。

ベンチ裏でテレビ観戦をしながら、興奮気味にこう話したという。

「雰囲気ありますよ、やっぱり。あー、なんかあるなぁと言うのは、野球をやっている人間なら、感じるでしょうね」

そして、2ストライクを取られてからの2安打に対しては、『打者として』最大級の賛辞を贈り、褒めた。

ただ、この言葉はとても興味深い言葉だった。単純に「打つ」ことではなく、次のように語っていた。

「対応力でしょうね。(先発の)リークの球に全然あっていないように見えて、最後の甘いところを仕留めるわけですから。

春から開幕してからも、そうじゃないですか。あの何日間で何かが(あった)。そんな余裕があるとは思えないですからね、あんな(不振の)状況で。それをスッと出来る能力と言うのは、なかなか人は持っていないですから。それは大きな才能ですよ。

100マイル(約161キロ)投げるとか、誰よりも飛ばすことよりも、実は大事な能力、そういう風に見えますけどね」

「対応力」

イチローの言葉を借りていえば、全然あっていない(うまくいっていない)ように見えて、最後に仕留める対応力。

春からの開幕での不振の状況でも対応する力。

そうした対応力が実は大事な能力だと語っていた。

これは野球に限らない。僕らの仕事だってそうだろう。

何かが不調だという時、そこでスッと対応し、自分の能力を発揮する力というのは簡単にできることではない。

ダーウィンの進化論

この対応力と聞いて、イメージしてしまうのが『ダーウィンの進化論』

ダーウィンが進化論で唱えた「適者生存」だ。

適者生存とは「最も強い者が生存する」とイメージしてしまうかもしれないけど、実際には生き残るのは最も強い種ではなく、最も生態系に適応できる種である、ということ。それこそが最も生き残る種だ、と語っている。

状況に適応(対応)する力というのは非常にパワフルな力なのだ。

大谷翔平からイチローへの言葉

イチローの言葉に対し、大谷翔平はこう喜んだ。

「凄く光栄なことですし、僕について話してくれるだけで、僕はそれだけで満足なので、嬉しいなと思っています」

続けて、かわいらしく魅力的な言葉で語った。

「野球教室に来た小学生が、凄く張り切って、良いところを見せようって言う、そう言う気持ちでした」

こういう言葉を聞いてしまうと、対応力だけでなく、周りを味方にしてしまう強い力ももっているな、と感じてしまう。

本当に魅力的な二人だった。